乾布摩擦とは?
乾布摩擦といえば上半身裸になって、背中をタオルでゴシゴシと〝こする〟という健康法ですね。
乾布摩擦は特別な道具や器具を使わなくても簡単・手軽に行うことができます。海外ではタオルではなくブラシをつかった「ドライブラッシング」というものもあり、日本だけでなく世界で広く行われています。
ちなみに寒風摩擦(かんぷうまさつ)と間違われやすいですが、正しくは乾布摩擦です。冬の寒い朝に行うイメージですからしっくりきそうですが、これは間違いです。
では乾布摩擦をすることでどんな効果が期待できるのでしょうか?実は風邪の予防だけじゃないんです!
80歳最高齢エベレスト登頂三浦雄一郎さんも実践する乾布摩擦!皮膚を鍛える健康法についてご紹介します。
自律神経の安定
乾布摩擦といえば風邪の予防や寒さへの抵抗力がつくという効果がよく知られていますが、これらの効果に大きく関係しているのが自律神経を安定させることなのです。
皮膚を「こする」という物理的な刺激と「冷たさ」という温度刺激によって自律神経が刺激されます。皮膚表面には沢山の神経が張り巡らされいて、その神経を刺激することによって自律神経を強化することが出来ます。
風邪の予防
自律神経には交感神経と副交感神経があり、その2つがバランスをとりながら、体の機能の調整をしています。
乾布摩擦をすると、副交感神経が刺激されて自律神経を整え、働きを高めることができます。さらに、血行がよくなって体温が上昇するため、免疫力アップにつながり、寒さに対する抵抗がつきます。
花粉症
交感神経より副交感神経が優位になると、鼻炎症状が悪化しやすくなります。副交換神経が優位なるというのは簡単に言えばリラックス出来ている状態です、ですから運動など体を動かしているときは交感神経が優位になっています。
寒い冬の夜に鍋を食べたりすると体は温まってきているのに急に鼻水が出てくることがありませんか?これは胃が温まって副交感神経が優位になったためで、専門的には血管運動性鼻炎と言います。ラーメンを食べているときも鼻水をすすりながら麺をすすっている人をよく見ますよね。
本来ですと副交換神経が優位になったときはリラックスした状態ですから良いことなのです。しかし、それによって花粉症や鼻炎の症状が悪化しやすいとはやるせないですが、交感神経を刺激してバランスをとるには適度な運動やストレッチが必要です。それには先程説明した風邪予防の観点からも乾布摩擦がオススメです。
血行の改善
皮膚を刺激することで毛細血管という細い血管が、体の隅々まで栄養や酸素や水分を届け、老廃物や二酸化炭素を運び去る働きが活発になります。
低血圧の人は乾いたタオルで皮膚を摩擦することで皮膚が刺激され血管の収縮が起きます。これを続けることで血圧が改善されていき、その後、血行が改善されることで以下の効果が期待できます。
ダイエット
全身の血行がよくなると、新陳代謝が上がり、脂肪が燃えやすい体になります。また、自身で乾布摩擦を行うことが軽い運動にもなります。
背中などを〝こする〟動作は体を伸ばし関節を動かすといったストレッチ運動ですのでカロリーも消費します。
冷え性改善
皮膚に刺激を与えることで、血管が拡張し体が温まります。手や足などの血液のめぐりもよくなるので、冷え症改善に効果があるといえるでしょう。実際に足や腕などタオルで優しくこすっているとじわっと温かいものを感じます。
また皮膚にはたくさんの神経が張り巡らされていて、刺激を与えることで自律神経のバランスを整えてくれます。冷え性の大きな原因は自律神経失調なので、冷え性改善にも効果が期待できます。
肩こり
冷え性と同じように首や肩など、タオルを当てて左右交互に摩擦する事で血行が良くなって肩こりが改善されます。肩こり首コリが原因で枕の高さや位置が落ち着かないときは、肩、首の乾布摩擦をすると改善されることがあります。
体臭改善
体臭の原因の一つに汗があります。ベタッとした汗は臭いがある場合が多く体臭の原因になりやすいです。乾布摩擦で皮膚を刺激して血行が促進されてかいた汗は、良い汗だと言われています。乾布摩擦を数日続けてサラっとしていて匂いのない汗になれば、汗腺と汗腺の支持組織(汗腺を支えている体の組織)である皮膚が鍛えられているということです。食生活などの生活習慣を見直すと共に良い汗をかく習慣が体臭予防に効果的です。
便秘解消
お腹をこすると血行がよくなり内臓の動きが良くなります。この時、下っ腹を摩擦するとぜん動運動が活発になり、お通じや肌荒れに効果的です。そもそも腸のぜん動運動をコントロールしているのは自律神経なので乾布摩擦は自律神経と血行の両方の観点から効果があると言えますね^ ^
まとめ
私たちの身体は暑ければ汗をかいて体温を下げようとし、寒ければ自然と体を丸めたり体を震えさせることで体温を上げて調節しようとしますね。
また、皮膚に近い身体の表面を流れる毛細血管が、気温に応じて拡張したり収縮したりして血流量を調節することによって、体温を調節しています。
しかし、近年では空調の効いた環境で生活することで、自分の身体で体温を調節する機会が減っています。エアコンなどの急激な気温や室温の変化により、自律神経も乱れがちになり、血行や汗腺が鍛えられていません。これらの事への対策として乾布摩擦はおすすめです。
注意点
これから始めるならくれぐれも無理のないようにしてください。
急にやりすぎると皮膚を摩擦によって傷つけてしまいます。必ずしも上半身裸になる必要はありません、薄い服の上からでも充分に効果が期待できます。皮膚の強さには個人差がありますので薄着から少しずつやっていくのもいいでしょう。^ ^
力任せではなく優しく摩擦するだけでもジワっと暖かさを感じます。朝早く起きて朝日をを浴びながら乾布摩擦をすれば体が目覚めるのが感じられますよ。^ ^
乾布摩擦を始めようと思う、それを実行するという気持ちや心持ちがとても大切です。
乾布摩擦は朝の散歩などと同じで朝活のひとつですね。なんだか晴れ晴れした気持ちで1日がスタートできますよ!ぜひ!!